企業はサークルか。

(この記事は2月12日に書かれたものです)

「大学を卒業して企業の一員になる」というと、全くの異界へ赴くような心細い気持ちになるのは無理もありませんが、人が何人か集まって組織を作り、共通の目的に向かって動くという意味で言えば、企業も、大学の体育会やサークルとなんら変わりません。

もちろん、企業とサークルの厳密な違いなんて挙げればきりがありませんが、「人が人を新しく仲間に迎える」という点で見れば、本質的な差はそれほどないと、僕は信じています。

皆さんは、大学時代、サークルやバイト仲間、学科といった何らかの組織に属していたでしょうか?
属した経験があり、先輩として新入生を迎えた経験があるのであれば話が早いのですが、では、みなさんは、新入生をどのような目でとらえ、どのような人と一緒にやっていきたい、どのような人とはうまくやれそうにない、と思ったでしょうか?

もちろん、各人・各サークルによって価値観は違うと思いますが、大枠としては、「雰囲気・話し方が(どこがとは言えないけれど)いい感じ」で、「この組織でうまくやっていけそうな人」ぐらいのものではないでしょうか?

決して、「その組織のことを細かく知り尽くし、具体的な参加方針をいくつも挙げ、客観的な自己分析も完璧で、それらをもとにいかに自分がこの組織で効果的に機能できるかを蕩々と弁じ立てる新入生」ではないはずです。

その競技・種目・テーマについては未経験でも、自然な自己紹介ができて、組織の一員になりたいという思いを自分の言葉で話し、先輩に対しては元気な笑顔で懸命に受け答えをする、そういう、やる気のあるはきはきとした新入生。
特殊枠が適用されるような一部の例外(甲子園出場などの鳴り物入りのルーキー)でなければ、多くの学生のみなさんが目指すべき姿は、まさにこれです。

「自分が企業の採用担当だったら」という想像よりも、「自分がサークルの(部の、学科の)新入生担当だったら」という想像のほうが、就職・面接というおっかないモノを、より身近に感じることができるはずです。

考えが煮詰まったときに、ぜひ試してみてください。
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