恋愛就活 第3回

この本では、就職そのもの、および就職活動において直面するさまざまな局面を、ひとつひとつ恋愛の局面・シーンにたとえて、その本質を明らかにしていきます。それはある時には、極論かもしれませんし、あるときにはそんなうまくいくもんか?かもしれません。が、本質は外していないはずです。「不謹慎」だとか、「一生を左右する岐路で、そんな浮ついた気持ちで取り組むなんて」という考えでは決して見えてこない、就職・就活の新しい(というより、本来の)姿がそこには現れるはずです。
誤解をさけるために、ひとつ述べておきます。「究極の恋愛テクニック」「こうすれば彼(彼女)ができる!10の方法」といったタイトルの本もしくは、雑誌の特集。よく見かけますね。どうですか?どう思いますか?うさんくさくないですか?「ほんとかよ!そんなんで彼氏(彼女)ができれば苦労しねえよ」じゃないですか?そういう本を、真剣に大まじめに読んでる奴。寒いですよね?いっしょです。これは、「絶対内定」でもなければ、「こうすれば就職できる」という本でもありません。「なるほどね、就職、就職とびびってたけど、こう考えればいいのか、なんだ思ったよりも楽チンじゃん」と、開き直ってもらう事が目的です。たかだかこの本1冊で、すてきな会社人生(つまり恋人ですね)が手に入る、ワケがありません。ええ。
もうひとつ、さらに誤解を避けるために、言っておきましょう。そもそも、利用する考え方は必ずしも「恋愛」である必要はないです。この本は、「就職=恋愛」という考え方を試しに実践してみることで、「就職」という得体のしれない物体を自分の中で消化し、卑近なレベルに引き摺り下ろして、実感してもらう、就活をこれまでの人付き合いの延長で捉えられるようになる、そのことが、最終の目的です。急にそこいらへんでゲットした武器で戦うよりも、これまでの人生で培ってきた人づき合いのコツ、スタイル、作法、主義、そういった小さな武器を使って戦ったほうが、いい戦いができると思うのです。ですので、参考にするといい教科書は「恋愛」の必要はまったくなくて、「友達づきあい」「親・親戚との付き合い」「兄弟」「サークルの先輩・仲間との関係」などでも一向にかまいません。なので、もし、恋愛についてそんなに考えた事がないからといって、「私は、恋愛が苦手だから、就職もできないんだ、あー最悪~」と思う必要はありません。なんでもいいんです。それがあなたの人づき合いのスタイルなのですから。私自身は、上手か下手かはおいといて、大学生活4年間を「テニス」と「片思い」のふたつだけに費やしたし、就職活動においても、それほど難しい事は考えられなかったし、いい年になった現在でも、「テニス」と「恋愛」のことしか考えていません。なので、「就職=恋愛」という観点で話を進めますが、その他のたとえ話もたくさん使っていこうと思います」。安心してください。
では、そろそろはじめます。さらーっと読んでくださって結構です。普通のことしか書いてありません。だって、しょせん就職の話ですから。しょせん恋愛の話ですから。眉間のしわをゆるめつつ読んで下れば、幸いです。

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