月別アーカイブ: 2008年11月

解雇について。

先日、友人が勤めている外資系金融会社で大規模な解雇が行われたそうです。前日まで一緒にプロジェクトを担当していた同僚が、ある午後、いつものようにデスクに向かっていると、突然PCがフリーズし、「なんだなんだ?」と再起動を試みようと思っていると、後ろからポンポンと肩を叩かれたとのことです。

このように会社側がなんの制限もなく社員を解雇してしまえることは、日本的慣習に慣れている私たちからすると、「なんとまあ、恐ろしい」と思ってしまいがちですが、前回のブログにも書いた水町先生の講義によれば、こうして会社側がバンバン解雇できるということは、バンバン人材が市場にあふれるということでもあり、雇用の流動性が生まれ、結果として、人は転職がしやすくなります。

逆に、圧倒的に労働者が守られている日本企業では、一度雇ってしまったら滅多なことでは解雇することができず、あらたに求人(と人材)が生まれることは稀で、全体として転職はしにくくなります。

一昔前では、転職は一部の限られたひとしかしないものでしたが、ここ数年で、ぐっと身近になりました。

個人の「働き方」が多様化する中で、企業の「雇い方」もより一層さまざまな形をとっていくことになると思われます。

「仕事にまつわるキャリア相談」by恵比寿キャリア研究所
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決断力のあるバカ

 ここ最近、周囲の女性から、「いまどきの男の人は受け身過ぎる」と嘆く声をよく聞きます。「デートの誘いから告白まで、全てこちらでやってあげないとならない」と。確かに、恋愛に積極的でぐいぐいと引っ張るタイプの男性は、現代の日本で(とくに都市部で)減る一方のように見受けられます。もちろん、そういう稀少な男の人との出会いを待ち続けるのもひとつの姿勢ですが、状況を冷静に見極め、「しょうがない、自分から恋愛を動かしてあげましょう」と、覚悟を決め腹をくくった女性が、次々に幸せになっていっているのも事実です。

 以前、博報堂生活総合研究所に寄せたコラムを以下に再掲します。ちなみにこのコラムを書いたのは2005年秋のこと。あれから3年。受け身で気の優しい日本の男子たちを巡る構図には、一体どのような変化があったでしょうか?

「決断力のあるバカ」

 “物事をパッパッと決断するけれども、それがことごとく間違っている男”、いわば「決断力のあるバカ」と、“物事を慎重に検討してなかなか決めないけれども、最終的には正しい選択をする男”、いわば「賢い優柔不断」。どちらが男性として魅力的か、という質問を身の周りの若い女性にしてみると、驚くほど多くの女性が、「決断力のあるバカ」を支持します。

 頭でっかちで、うじうじと考え続ける男にはもううんざり。多少バカでもいいから、素早くバシッと決断して欲しい(正しい方向には、その後、私がちゃんと導いてあげるから)・・・。そんな彼女たちの切なる思いもむなしく、日本にモノを決めない男は増え続け、もはや、「モノを決められる男」なんてものは、イリオモテヤマネコやトキと同じく、絶滅の危機に瀕した稀少種である、というのが、私と友人たちの間では共通認識となっています。

 一般に、現代の若い男性(とくに都会に住む高学歴の若者)の特徴として、「周囲に気を配り、人に優しく、場の空気を読み、そつのないふるまいをする。情報感度が高く、情報摂取能力に大変優れ、事前に納得いくまで情報を集めて吟味してから、行動に移る」という点が指摘されます。これは換言すれば「自他共に『正しい』と認めるような選択が可能になる情報が集まるまでは、行動に移らない」ということであり、さらに言えば、「おろかな選択をするぐらいなら、決断なんてものはしない」ということでもあります。なかなかモノを買わない若者、なかなか社会に出ようとしない学生・ニート、そして、なかなかメニューを決めない彼氏・・・。摂取しすぎた情報に翻弄され、与えられるさまざまな選択肢に目移りし、検討に必要なモラトリアムを延長し続け、決断を永遠に先送りする若者たちへの対応に、各関係者は頭を悩ませています。

 確かに、おっかなびっくりで歩を進めるほうが事故がなく安全です。慣れないことは、あまりしないほうがいいかもしれません。けれども、「ありあわせの情報と、自身の感覚と、強い信念とで、物事を決断。その後は、自分の選択を最大限よいものにすべく努力する」という、タフで前向きでダイハードな若者の登場(と、それを「浅慮」と批判するのではなく、むしろ助長・促進するような空気づくり)が、いまの日本社会、とくに恋愛市場から、熱望されているように思います。


「恋と仕事のキャリア相談」by恵比寿キャリア研究所



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ワークライフバランス。

この秋から、東大ドリームネットの行う「ワークライフバランスゼミ」に専任メンターとして参加しています。

11月6日に行われた第一回は、水町 勇一郎先生による授業形式で、「労働に意味や価値を見出そうとする最近の傾向を、労働の歴史という観点から考える」というテーマでした。

水町先生は、労働法の専門ということで、正直固い話(いかにも大学の授業という感じの)を想像していたのですが、「働く」ということが世界の歴史上(古代ギリシャから、キリスト教との関連、日本の事例、企業共同体とイエ社会)、どのようにとらえられてきたかについて、わかりやすいたとえ話やグループディスカッションを織り交ぜつつ展開され、聞いているうちに視野がぐいぐいと広がっていくのが感じられ、それはそれは楽しい授業でした。

(内容もさることながら、進行がとにかくすばらしく、知識と経験とキャラクターに裏付けられた、まったくよどみないプロの話しぶりには、感銘すらおぼえ、「うーむ、うーむ」と楽しくうなり続ける2時間でした。)

世間で喧伝される「ワークライフバランス」という言葉を、自分のものとして一歩近づけて理解できたように思いますので、「恋と仕事のキャリア相談」に活かしていきたいと思います。

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